コンピュータゲーム

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コンピュータゲームとは、プレイヤーの行動(入力)以外の全てをコンピュータによって処理されるゲーム。ゲーム画面をビデオモニターに出力するためビデオゲームとも呼ばれる。また、いわゆるLSIゲームも含めて電子ゲームと呼ばれる場合もある。

概説[編集]

コンピュータゲームの進行は、プレイヤーの入力に対する結果をコンピュータが演算し、その処理結果に対してさらにプレイヤーが次の入力を行うという繰り返しによってなされる。基本的にゲーム進行の全てをコンピュータがシミュレートするため、実存の遊具や対戦仲間を必ずしも必要としない。その主なハードウェア構成は、演算処理を行うハードウェア本体、プレイヤーが入力に用いる装置(コントローラ等)、処理結果が出力される装置(主にモニタ画面)から成り、原則的にはこれ以外の補助装置の類を必要としない。また、入力装置は簡便なものが用いられ、大抵は両手のみで全ての操作が行えるようになっている。

日本では、1970年代末よりアーケードゲームやLSIゲームなどから徐々に広まり、1980年代テレビゲームの爆発的な普及にともなって一般化。さらに、コンピュータの処理能力の進歩により映像表現・演出が高機能かつ多彩なゲームが増え、また、インターネットの普及に伴って遠隔地にいるユーザ同士がプレイを共有することのできるオンラインゲームにも多くのゲームソフトが登場している。

コンピュータゲームの分類[編集]

プレイ形態[編集]

遊戯としてのゲーム構造はコンピュータゲームにも当てはまる。しかしながら、次の点でコンピュータゲームは他の一般的なゲームと異なる。

  • 乱数の生成
テトリス』等のようにコンピュータゲームにおいても偶然性を用いるために乱数を生成する場合がある。
しかしながら、現在のコンピュータには本当の意味での乱数は生成できず、代わりに擬似乱数が使用されている。そのためプレイヤーに乱数生成パターン(電源パターン永久パターン等)を読みとられ、結果としてゲーム性を破壊してしまう場合がある。
  • プレイ人数
コンピュータゲームにおけるプレイ人数はあくまでコンピュータへアクセスするプレイヤー数に過ぎず、単純にその数をもってゲームを分類することは出来ない。
例えば、囲碁対戦型格闘ゲームなどの2人対戦を基本とするゲームでもコンピュータゲームの場合は1人プレイが存在する。これはコンピュータが対戦相手役を兼ねるからであり、プレイヤーが1人であってもゲームの本質的には2人プレイとなる。
また逆に、レトロゲームなどに多いが、『スーパーマリオブラザーズ』の様に2人プレイと言いつつもただ1人プレイゲームを交互に繰り返しているだけのゲームもある。

プラットフォーム[編集]

コンピュータゲームは初め汎用コンピュータ上で動作するデモンストレーション用ソフトウェアに過ぎなかったが、これらがビジネスとして十分通用すると見なされると、業務用ゲーム機テレビゲームのようなコンピュータゲームに特化したハードウェア(ゲーム専用機)が登場した。

また、1980年代初頭までのコンピュータゲームは1つの製品では限られた種類のソフト(基本は1ハード当たり1ソフト)しか遊べなかったが、アタリ任天堂以降の製品では「プラットフォームとなるハードウェアに、対応するゲームソフトが多数供給される」と言う新しいモデルが出来上がった。後にはより小型化されディスプレイを内蔵した携帯型ゲーム機も発売され、これらの市場をまとめて「コンシューマーゲーム」(コンシューマー=民生市場向け→「家庭用」)とも呼ばれる。

一方、ゲーム専用機以外のプラットフォームとしてはパソコンゲームが古くから存在していた他、デジタル機器の進歩に伴い携帯電話DVDビデオプレイヤーで動作するゲームも登場している。

かつてはアーケードゲームやパソコンゲームなどに対してコンシューマーゲームはハードウェアの性能的に劣っていたが、現在ではプラットフォーム間に性能の面での差はほとんど無くなっている。一方で、プラットフォームごとにユーザー層の緩やかな住み分けが起こっており、アーケードゲームやコンシューマーゲームではアクションゲームやシューティング等の動的なゲームが多く、パソコンゲームでは逆にシミュレーションゲームやアドベンチャーゲームのような静的なゲームが好まれている。

ゲームシステムによる分類[編集]

テーマによる分類[編集]

価値観による分類[編集]

出版主体による分類[編集]

コンピュータゲームのもたらす影響[編集]

迷信として、コンピュータゲームはしばしば未成年者に悪影響を及ぼすといわれる。 長時間のプレイにより視力が低下する、勉強が疎かになる等の懸念はテレビゲームが普及し始めた頃から存在し、少年犯罪の増加や引きこもりが社会問題となるとコンピュータゲームがそれらの原因の一つとする主張が現れ、日本大学教授・森昭雄は著書『ゲーム脳の恐怖』でその危険性を指摘しゲームを批判した。

さらに、犯罪行為やその準備行為にコンピュータゲームが利用されるケースも多い。 顕著なもののひとつに違法賭博があり、ギリシャではその規制を理由にコンピュータゲームが法律で禁止されている。 この他、アメリカ同時多発テロの実行犯が実機さながらのフライトシミュレータで訓練をつんでいたともいわれている。

一方、コンピュータゲームを養護する立場からこれらの批判に対する反論・反証も多い。 未成年者への悪影響や少年犯罪の増加とコンピュータゲームとの因果関係は立証されておらず、『ゲーム脳の恐怖』についてもデータに恣意的な部分が多く、またそのデータの取り方も統計学的におかしく信用できないという指摘や反証が各所でなされている。

学習分野でもキッズコンピュータ・ピコに代表される教育目的のコンピュータゲームも少ないながら存在し、また教育現場においてゲームソフトを教材として活用しようとする動きがある。

この他、指を細かく動かす必要のあるテレビゲームが老人性痴呆症の予防に効果があるといわれるなど、そのメリットも少なからず指摘されている。

将来の課題[編集]

家庭用ゲーム機の普及によって成長を続けてきた日本のゲーム業界だが、2000年代に入ると、インターネット、携帯電話など娯楽の多様化、少子化などで成長に陰りが見えてきた。

また、日本製ゲームソフトは外国でも圧倒的なシェアを占めていたが、2000年代に入り外国製ゲームソフトにシェアを奪われつつある。理由としては、日本のゲームソフト会社にはFPSなどに必要なリアルタイムで3DCGを動かす技術が乏しいこと、日本製ゲームソフトは青少年向けのものが多く、ユーザーの年齢層が幅広い欧米市場では対応しきれなくなってきたことなどが挙げられている。

経営統合などゲームソフト会社の経営基盤強化、開発しやすいハードによってゲームソフト開発の裾野を広げること、ユーザー層の拡大などが日本のゲーム業界のこれからの課題である。

関連項目[編集]